2024年6月20日公開
いざ事務職に応募しようと思ったとき、志望動機に何を書けばいいのか悩む方が多いのではないでしょうか。
今回は、未経験で事務職に転職する際の志望動機の書き方を紹介します。
ポイントをおさえておけば、熱意が伝わるでしょう。例文とあわせてぜひ参考にしてみてください。
事務職の志望動機を書くために知っておきたい仕事内容
事務職といっても、一般事務や営業事務などさまざまな種類があり、それぞれ内容が異なります。
志望動機を書く際には、それぞれの違いを理解することが大切です。仕事内容を理解した上で、自身の経験や資格、得意なことを活かせるポイントを探りましょう。
ここでは、以下の代表的な3種類の事務職とそのほかの事務職について解説します。
●一般事務
●営業事務
●経理事務
●その他
それぞれの違いをひとつずつ詳しく見ていきましょう。
一般事務
一般事務は「一般」とあるように、社内業務に関わる事務業務を幅広く担う事務職です。
書類作成や伝票入力、電話応対、来客応対をはじめ、顧客や売上のデータ入力、郵送物の仕分け、配送、他部署の業務サポートなど、多岐にわたります。
迅速かつ正確な事務処理能力はもちろん、社内の各部署や社外とのやり取りも多いため、高いコミュニケーション能力が必要です。
企業によっては、営業事務や経理事務、総務の業務を任されるケースもあります。
社内のさまざまな業務を依頼されるため、どのような業務も気持ちよく引き受ける人物が求められるでしょう。
営業事務
営業事務は、営業部署をサポートするポジションで、営業業務に関わるあらゆる事務業務を担います。
業務内容は、見積書や請求書などの書類作成、売上などのデータ集計、顧客情報の管理、来客や電話、メールの対応などです。
営業担当1人に対して1人の営業事務職が付くケースや、営業部署全体を数人の営業事務が分担するケースなど、企業によってその扱いは分かれます。
数字を扱うことが多いため、事務処理能力に加えて見積や会計に関する知識、コミュニケーション能力が求められるでしょう。
経理事務
経理事務は、経理部のサポート役として、お金に関わる幅広い事務業務を担当するポジションです。伝票整理や決算書類作成、給与計算、経費精算に関する業務、出納など、経理に関わる業務全般を担当します。
お金に関わる業務のため、簿記などの資格を持っている、あるいは取得予定であるなど、経理知識を持っていると有利です。税務知識があるとなおよいでしょう。
企業によっては経理と経理事務が明確に分けられていない場合があります。
その他
事務職のなかには、前述した職種以外にも以下のような職種があります。
●学校事務や大学職員
●貿易事務
●医療事務や病院事務
小中学校、高校や大学で事務業務を担当する学校事務や大学職員、貿易事務は輸出入に関する事務作業を行うポジションで、英語力などが求められます。
医療事務や病院事務は、病院での診療の受付や会計などの業務を担当する職種です。
上記のほかにも、総務や秘書、通訳・翻訳なども事務職に分類されます。
事務職に役立つスキルや資格
事務職に役立つスキルには、以下のようなものがあります。
事務職には幅広い業務が任され、多くの人と関わるため、基本的なパソコンスキルやコミュニケーションスキルは不可欠です。
事務職の種類によっては、未経験であってもそれぞれの専門分野に特化した知識や資格があると役立つでしょう。
●パソコンスキル
●コミュニケーションスキル
●資格
ひとつずつ詳しく解説します。
パソコンスキル
事務職のメインになる業務といえるのが、パソコンを使ってのデータ入力、マニュアル、資料、各種資料などの書類作成です。ほとんどの業務でパソコンを使用するため、パソコンスキルは有利なアピールポイントになりえます。
とくに、ワードやエクセルを使用することが多いため、マイクロソフトオフィス製品の操作スキルを証明する国際資格「MOS」のような資格を持っていたり、ITに関する知識があったりすると未経験でも転職に役立つでしょう。
エクセルの場合には基本操作はもちろん、さまざまな関数を使えることもアピールポイントです。
パワーポイントのプレゼンテーションスライド作成の技術があれば、資料作成にも役立てるでしょう。
このようなスキルや資格について、企業でどのように活かせるのかをアピールできると強みになります。
コミュニケーションスキル
事務職というと、黙々と1人でデスクワークをする仕事というイメージがあるかもしれません。
しかし、電話応対や受付業務を担当することもあれば、社内外の多くの人と関わるような業務が発生することもあるため、コミュニケーションスキルが求められます。
仮に任される仕事が社内の人のみと関わるような業務だったとしても、上司や同僚とのコミュニケーションは必要です。意思疎通ができずに食い違いが起こることでミスの原因になり、業務が滞ってしまう可能性があります。コミュニケーション能力は面接時にある程度は伝わりますが、未経験の場合、他業種である販売や接客した経験もアピールできるポイントです。
また、ビジネスシーンで必要なマナーや知識を証明する秘書検定などがあると、よりアピールできるでしょう。
資格
多くの事務職では特定の資格を求められることは少ないですが、以下のような資格があるとより強くアピールできるでしょう。
事務職全般 |
MOS(Microsoft Office Specialist)、ITパスポート試験など |
一般事務系 |
秘書技能検定、文書情報管理士など |
経営事務系 |
日商簿記(日本商工会議所簿記検定)、公認会計士など |
その他 |
実用英語技能検定、TOEIC、社会保険労務士なし |
ITやパソコンスキルに関連する資格であれば、事務職全般に役立ちます。
経理関連の事務職であれば、簿記や会計士の資格があると有利になるでしょう。
貿易事務など、輸出入関連の事務職であれば、TOEICや実用英語技能検定の資格が役立ちます。
いずれもただ資格を持っていることをアピールするのではなく、その資格を業務にどのように活かせるのかを伝えることが大切です。
事務職未経験者が志望動機を書くときのポイント
ここからは、事務職未経験者が志望動機を書くときに意識すべきポイントについて解説します。
事務職に応募する際、志望動機がしっかり伝わるように書くと、人事担当者によい印象を与えられるでしょう。熱意が伝わることで、採用側に興味を持ってもらえます。
志望動機は、以下の4つのポイントをおさえて書くことが大切です。
●求められている人物像をつかむ
●応募理由を明確にする
●第三者からの評価を交える
●入社に向けた意気込みをアピールする
ひとつずつ見ていきましょう。
求められている人物像をつかむ
事務職の募集要項を見たときに、どのような人物を求めているのかを考えてみましょう。先述したとおり、事務職の仕事内容は企業によってさまざまです。
募集要項に書かれている条件だけを見るのではなく、どのような業種、社風なのかを含め、求める人物像をリサーチしてみましょう。企業が求める人材がどのような人なのかが分かれば、アピールポイントや志望動機をその人物像に寄せることができ、人事担当者の目にも止まりやすくなります。
人物像が見えてきたら、企業が求める人物像にあてはまる自分の特徴やアピールポイントを書くのがおすすめです。求める人物像は募集要項に書かれていることもあります。能力やスキルも含め、よく読んでから志望動機を書いていくとよいでしょう。
応募理由を明確にする
なぜその企業に応募するのか、理由を明確にすることが大切です。
事務職はどのような企業にも存在する職種のため、理由が明確でないと、人事担当者に「この業界ならどの会社でもよいのでは」という印象を与えてしまいます。採用側に好印象をもってもらうためにも、企業についてリサーチし、応募理由を明確にしましょう。
応募理由を明確にするには、その企業の魅力やほかの企業との違いをまとめ、事務職でチャレンジしたいことなどを盛り込むのがポイントです。
また、別の業種であっても、過去の経験との関連性を見出せるとなおよいでしょう。その企業ならではの事業や、ほかにはない魅力などに着目してみるのがおすすめです。
第三者からの評価を交える
事務職は、営業や販売などの職種のようには自己の実績を数字でアピールするのが難しいため、上司や同僚、顧客など第三者からの評価を盛り込むのもひとつの方法です。過去の仕事でどのような評価を得てきたのか、第三者からの冷静かつ客観的な視点での意見を盛り込めば、アピールポイントに具体性が生まれます。
たとえば、過去の仕事で「ミスが少ないことが評価され、確認作業を任された」「電話応対が丁寧で顧客から評価され、職場で表彰された」などがあれば志望動機に盛り込んでみましょう。
入社に向けた意気込みをアピールする
志望動機を書く上で忘れてはならないのが、意気込みのアピールです。
まずは募集要項に書かれている「職務内容」「対象となる方」などから、職務や働き方を読み取ってみてください。求められる職務や働き方を理解したら、自分がどのような点で企業に貢献できそうかが見えてきます。
たとえば、「前職での接客経験を顧客対応に活かしたい」「未経験だが戦力になれるよう積極的に学びたい」など、具体的な意気込みをアピールするのがおすすめです。自己PRと重複しても問題ありません。
「~で貢献したい」「~の経験を活かして戦力となりたい」など、しっかりと意気込みを伝えていきましょう。
【仕事内容別】事務職未経験者の志望動機例文
ここからは、以下の仕事内容別に具体的な志望動機例文を紹介します。
事前に応募する企業についてリサーチし、しっかりと熱意が伝わるような志望動機を書きましょう。
未経験でも、明確な志望理由と意気込みを伝えられる文章を書くのがポイントです。
●一般事務
●営業事務
●経理事務
前述のポイントを踏まえつつ、ぜひ参考にしてみてください。
【一般事務】未経験者の志望動機例文
私は細かい作業が得意で、効率的に、丁寧に、正確に仕事をすることを心がけてきました。現在は新卒で入社したアパレル企業で販売を担当していますが、販売以外に付随する仕事として資料やレポートの作成など、事務に関する業務も行っております。
販売業務にやりがいを感じていましたが、事務仕事の正確性や効率化を追求するなかで、事務に関する業務の楽しさを知り、また自分に向いていると感じることから事務職への転職を考えるようになりました。
多くの企業があるなかで、貴社のお客様を大切にするという理念に共感し、販売での接客経験や顧客対応の経験を活かせるのではないかと思い、応募いたしました。
少しでも早く貴社の仕事を覚え、チームの一員として戦力となれるよう努めていきたいと思います。
【営業事務】未経験者の志望動機例文
私は現在、IT系の企業で営業職を担当しています。
営業職では、さまざまなお客様と商談を重ね、やりがいを感じていましたが、より効率的に営業活動を行うためには、入念な準備や事務作業の効率化が重要だと考えるようになりました。
次第に、営業スタッフが営業活動を円滑に進められる環境づくりや、営業活動をサポートする仕事に興味を持つようになり、営業事務職への転職を考えています。
貴社では多くの営業スタッフを抱えており、サポートをする営業事務の役割が非常に重要だと考えたことから、貴社に志望いたしました。
営業職での経験を活かし、貴社の営業活動を支えられるよう、努力していきたいと考えております。
【経理事務】未経験者の志望動機例文
現在は、銀行の窓口スタッフとして、顧客対応を主に担当しています。
さまざまなお客様の対応をスムーズかつ迅速に、正確性を追求しながら従事してきました。お客様から対応の丁寧さを評価されることも多々あり、細かい作業が得意なことから、事務職への転職を考えております。貴社では幅広いサービスを展開し、顧客満足度も高く急成長していることに魅力を感じ、志望いたしました。
以前取得した簿記2級も活かせることから、経理事務を志望しています。来客や電話応対はもちろん、資料やレポートの作成なども得意です。
銀行での経験を活かし、貴社のさらなる成長にチームの一員として貢献できるよう、努めていきたいと考えております。
業務に応じた志望動機で未経験から事務職への転職を目指そう
未経験での事務職の志望動機でアピールすべきポイントや、事務職の種類、志望動機の例文などを中心に紹介しました。
未経験でも、事務職への転職は可能です。たとえ経験があったとしても、志望動機をしっかりと伝えられなければ転職は難しいでしょう。志望する企業についてリサーチし、理解を深めた上で志望動機を作成するのが成功への鍵です。
今回紹介した例文を参考にし、希望する転職を成功に導いてください。